メディカルアロマの認知度に関する アンケート研究

概要

MART研究会では、リハビリ業務に携わる方々を対象に、「メディカルアロマに対する認知度や興味がある方々の背景と需要」について、調査研究を実施しました。

【調査概要】
調査期間:2024年10月1日〜2025年2月28日
調査方法:インターネット調査
調査対象:リハビリテーション関連職種
回答数:192名

研究目的

1:メディカルアロマの認知度の把握:認知度を明らかにし、どの程度の専門家がその存在や効果を理解しているのかを把握する。

2:教育ニーズの特定:認知度の結果を基に、メディカルアロマに関する教育や必要性を評価し、どのような情報提供が求められているかを特定する。

3:実践の促進:メディカルアロマの認知度が低い場合、その普及を促進するための戦略や施策を検討し、リハビリテーションの現場での活用を促す。

4:業界のトレンド把握:メディカルアロマに対する関心の高まりや、リハビリテーション業界全体のトレンドを把握し、今後の研究や施策に反映させる。

結果と考察

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【質問①】
メディカルアロマの存在を知っていますか?

年代:30代はライフステージ上の余裕や機会の少なさから認知度が低く、それ以外の年代は半数以上がメディカルアロマを認知。20代でも約5割が知っており、その多くが維持期勤務で必要性を感じた可能性がある。40代は7割、50代は6割以上と、経験年数が上がるほど認知度も高い傾向がみられる。

性別:男性59.7%、女性58.2%と 男女差はあまりないがどちらも5割以上は認知度があり、認知度に男女差はあまりないと考えられる。メディカルアロマに対して女性のほうが関心が高い印象を持っていたが、僅差で男性の方が認知度が高い結果となった。

職種:認知度は看護師が最も高く75%、次いでST72%、OT57.6%。STは経験年数10年以上の割合が高く、精神面や生活支援での関わりから認知度が高いと考えられる。PTは53.7%で半数以上だが他のリハ職より低く、介護職は最も低く日常的に関わる機会が少ないと推測される。

領域:認知度が最も高いのは終末期(100%)で、苦痛緩和ニーズの大きさが反映されている。次いで学校(88.9%)、維持期(71.7%)、訪問(62.1%)。学校では経験豊富な教員が多く、知識習得の機会が影響していると考えられる。一方で最も低いのはデイサービス(16.7%)、急性期(37.5%)、回復期(42.1%)で、介護職の割合の高さや身体的アプローチ優先の傾向が要因とみられる。

経験年数:最も高いのは7〜9年(66.7%)、次いで10年以上(61.5%)、3年以下(51.2%)、4〜6年(50%)。経験が長いほど触れる機会は多いと考えられる一方、短い経験年数でも一定の認知が広がっていることが示された。

【質問②】
メディカルアロマはリハビリに活かすことが出来ると知っていますか?

年代:20代・40代・50代は半数以上が認知している一方、30代は4割未満と低く、差が見られた。30代は、生活やライフイベントの影響で学習機会が少ないことが要因と考えられる。

性別:女性は5割超でやや高いが、男女差は大きくない。性別に関わらず概ね半数が認知しており、男性も一定の関心を示している。

職種:看護師(60%)、OT(57.6%)、ST(56%)で半数以上が認知。PTは46.3%とやや低く、介護職・その他は70%以上が「知らない」と回答。リハ職ほど認知が高い傾向がある。

領域:最も高いのは終末期(75%)、続いて維持期(66.7%)、学校(55.6%)、訪問(55.2%)。緩和ケアや生活支援と親和性が高い領域ほど認知度が高い。

経験年数:7〜9年目が最も高く57.1%、次いで10年以上、4〜6年、3年以下。経験が長いほど認知度は高いが、3年以下でも43.9%が認知しており、世代を問わず浸透しつつある。

【質問③】
メディカルアロマを学んだことがありますか?

年代:20代・40代で1割以上が「学んだ」経験あり。30代は学習率が最も低く(6.9%)、ライフイベントで学習機会が限られる可能性がある。50代は学習率は低いが関心は一定数あると推測される。

性別:男女差はほぼなく、女性(9.8%)と男性(10.4%)で学習率は同程度。女性は「現在学んでいる」がやや多く(4.1%)、関心が継続的につながりやすい傾向がある。

職種:学習率が高いのはOT(14.1%)とST(12%)、次いで看護師(10%)。PTは低め(2.4%)、介護やその他職種は0%で認知度・学習機会が乏しい。リハ専門職の中でも精神面や生活支援を重視する職種で高い傾向。

領域:学習率が高いのは終末期(25%)、老健(23.5%)、急性期(18.8%)。維持期や回復期でも一定の学習経験がみられる。学校・デイサービス・精神科・訪問では学習経験がほとんどなく、導入機会の少なさが影響していると考えられる。

経験年数:最も高いのは7〜9年(14.3%)、次いで4〜6年(11.8%)。10年以上は9.4%、3年以下は7.3%で、経験年数に比例して学習率が上がるわけではなく、キャリア中盤(4〜9年目)に学びを取り入れる傾向が強い。

【質問④】
メディカルアロマに興味はありますか?

年代:全年代で5割以上が「興味あり」、興味なしは1割前後にとどまり、年代に関係なく関心が高い。

性別:女性は7割以上が「興味あり」で特に高い関心を示す。男性は半数未満だが「興味なし」は2割以下と、一定の関心がある。

職種:看護師・OT・STは7割以上が関心あり。PTは41.5%、介護は18.2%と低め。心理・精神面に関わる職種ほど関心が高い傾向。

領域:終末期(100%)、精神科(73.9%)、訪問(69.0%)、維持期(66.7%)で関心が高い。急性期(50%)、回復期(47.4%)は身体的アプローチ中心のためか、やや低い。

経験年数:3年以下・4〜6年・10年以上は6割以上が「興味あり」。7〜9年は半数未満で、中堅層は関心が分散している可能性がある。若手層(3年以下)は「興味なし」が2.4%と極めて少なく、特に関心が高い。

【質問⑤】
メディカルアロマを職場またはリハビリに取り入れていますか?

年代:20代・50代は導入率が高く、若手の挑戦意欲やベテランの経験が背景にある。一方30代は、関心は高いが行動に移せず停滞傾向。

職種:看護師は25%と最も高く、多様なケアに取り入れやすい環境にある。リハ職(PT・OT・ST)は導入が低く、具体的活用方法の提示が必要。

領域:終末期で導入率50%と突出。維持期・訪問も導入しやすいが、急性期・回復期では導入が難しい。

経験年数:3年以下と10年以上で導入が進みやすい。4〜6年は導入が最も低く、業務負担が影響している可能性。

【質問⑥】
リハビリテーションの選択肢の1つとしてメディカルアロマを取り入れてみたいですか?

年代:20代は64.3%が「取り入れたい」と最も高い割合を示した。30代・40代では「分からない」が4割を超え、関心はありつつも判断を保留している傾向がある。50代では43.5%が「取り入れたい」と回答し、さらに「すでに取り入れている」割合も13.0%と最も高く、臨床経験を背景に実践している層も一定数存在した。

性別:女性は59.8%が「取り入れたい」と回答し、否定的な回答はわずか1.6%にとどまり、高い受容性が見られた。男性は「取り入れたい」が37.3%と低めで、「分からない」が41.8%と最も多く、慎重な姿勢がうかがえる。

職種:作業療法士の62.4%、言語聴覚士の60.0%が「取り入れたい」と回答し、感覚や心理面への専門性の高さからメディカルアロマとの親和性が示された。一方、理学療法士は36.6%と低めで、否定的な回答も多く比較的保守的な傾向にある。介護職では「取り入れたい」が27.3%にとどまり、「分からない」が7割を超えており、情報不足や実感の乏しさが影響している可能性がある。

領域:維持期(61.7%)、訪問リハビリ(51.7%)、精神科(52.2%)では導入意欲が高く、生活や感情面を重視する現場での受容性が目立つ。終末期ケアでは回答者全員が「取り入れたい」と回答し、今後の可能性が示唆された。一方、急性期や回復期では「分からない」や否定的な回答が多く、医療的エビデンスや即効性を求める場面では慎重な姿勢が見られた。

経験年数:3年以下の若手は65.9%が「取り入れたい」と回答し、新しいアプローチへの前向きさが際立った。10年以上のベテラン層でも46.9%が導入に前向きで、「すでに取り入れている」割合も比較的高く実践者が一定数いる。これに対し7〜9年の中堅層では、否定的または判断を保留する傾向が多く見られた。

謝辞

 本調査の実施にあたり、ご多忙の中アンケートにご協力いただいた皆さまに心より御礼申し上げます。
 また、調査の実施にご理解とご支援を賜りました関係各位に深く感謝申し上げます。

共同
研究者

 【共同研究者】
 ◎Medical Aroma Rehabilitation Therapy(MART)代表 理学療法士 山田佳世
 ・社会医療法人北斗 十勝リハビリテーションセンター 作業療法士 穐元詩乃
 ・医療法人渓仁会 定山渓病院 作業療法士 市川麻衣
 ・医療法人仁愛会 水海道厚生病院 作業療法士 宇佐見七恵
 ・医療法人健和会 奈良東病院 作業療法士 大角千那弥
 ・社会法人新生会 サンビレッジ国際医療福祉専門学校 作業療法士 佐々木ゆかり
 ・米原市地域包括医療福祉センターふくしあ 理学療法士 戸川奈帆子
 ・訪問看護ステーションなでしこ 理学療法士 野㞍紗代

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